Transit Compactを使って輪行する際の知恵とか

Transit Compactを買って、都心で輪行する人になって早1年。これまでに溜まった『輪行するノウハウ』を公開したい…といっても、そんなに珍しい知恵は無いと思う。「輪行ってやってみたいけど、ちょっと度胸いるよね」などと思っているオニーサン、オネーサンの参考になれば幸いだ。

それにしてもTransit Compactは最強の輪行自転車だぜ。

1.自転車全体を覆い隠せるカバーを用意しよう

自転車店で本体を買うときにはカバーも一緒に買おう。オフィシャルのカバー輪行OKです。

Transit Compactは、どんだけ上品なオバサマでも3秒で折りたためるであろう光速折りたたみ自転車だ。そのため、本当はカバー無しで電車に乗るとすこぶる快適なのだ。駅に着いて→自転車を降りて→折りたたんで→改札を通るまでのタイムロスがほぼゼロ!なんて信じられるかい?それがTransit Compactのもたらす現実なのだ。

でも、カバー無しで電車に乗っちゃ駄目です。駅員さんに
「ちょちょちょちょちょっとお客さん!!」
ってリアルにドラマみたいな怒られ方します(追っかけてきて止められました)。まー確かに、他のお客さんにチェーンの油をつけちゃったりしても面白くないので、面倒ではありますが輪行の際は必ずカバーをかけるように。

バーの携行を忘れると最悪なので、自宅を出るときは持ち物チェックな。

2.筋力はそんなに必要ないけど、ちょっとはあった方がいいぞ

Transit Compactは折りたたんだ状態で自立する。しかもタイヤを転がしてコロコロ走行できる。なので、車体を持ち上げて移動する必要がない。また、最近の駅はエレベーターやエスカレーターなどの設備が充実しているので、階段を昇り降りする機会もほとんどない。

つまり、都心で(Transit Compactで)輪行する場合、筋力はさほど必要ないのだ。

が!階段を使うことを100%排除することはできない。「毎日決まったルートなら大丈夫〜♪」と思うかもしれないが、エレベーターやエスカレーターがメンテナンス中で使えないということも十分あり得る。

なので少なくとも、Transit Compactを持ち上げて駅の階段を昇り降りできるぐらいの筋力と体力は必要である。まあ、うちの彼女さん(けっこう華奢)でも、Transit Compactを持ち上げてアパートの階段を上り下りできるので、一般的な筋力があれば大丈夫だろうとは思う。

3.ラッシュの時間帯を把握し、避けよう

Transit Compactは折りたたむと縦に細長くなる。占有面積が小さい。

とはいえ、自転車を一台引き連れてラッシュの電車に乗り込むのは無理がある。当たり前だが、自転車は金属でできているしゴツゴツしている。ぎゅうぎゅうに押し込められたら、自分や周囲の人に怪我を負わせる可能性が極めて高い。自転車のフレームも歪む。ラッシュ時間帯の輪行は避けるべきだろう。

通勤で輪行したい方は、会社に事情を説明して時差出勤を認めてもらおう。エコブームだし、不況だし、自転車通勤というのは歓迎される方向にあると思うので交渉次第でなんとかなると思う。あと縁起でもないけど、チャリで通勤時に事故った場合、労災は適用されるのかどうかもきちんと確認しておこう。(時々チャリ通NGの会社もあるよ。)

4.乗る車両とドアをできるだけ決めておこう

ラッシュの話と似ているが、電車は路線や駅や時間帯によって混雑する車両が決まっているものだ。なので、もしよく使う路線や駅が決まっている場合は、Transit Compactを持ち込んでも迷惑にならない程度に空いている車両を選択できるようにしておこう。

最近の電車は車椅子用のスペースがある場合も多いので、そこを狙うのも良い手段だ。車椅子スペースは、エレベータとのアクセスが良い場合も少なくないのでお得である。

また、何も事前知識が無い路線に乗る場合は、先頭か最後尾に行くと端っこのスペースが使えて良い感じだ。(先頭や最後尾が一番込む路線も少なくないので要注意だけど。)

5.エスカレーターは意外と危ないので要注意だ

Transit Compactを押しながらエスカレーターに乗るのは上り下り共に可能である。が!結構危ない。きちんと体重を正しい方向(上方)にかけておかないと自転車ごと下に落っこちる危険がある。そんなことになったら大惨事である。下手したら人死が出る。

また、エスカレーターでは右側(関西では左側)を『歩いて上る人用のスペース』として空けている。そのため自転車の横をたくさんの人がすれ違うことになる。この歩く人達が自転車のハンドルにぶつかったり、何かのパーツにバッグがひっかかったりするとシャレじゃなく危ない。

というわけで、(楽なのは分かるのだが)可能な限りエスカレーター利用は避けよう。変わりにエレベータを使うのだ。もしエスカレータを使わざるを得ない場合は、自分の自転車とその周囲の人に細心の注意を払って、自転車から片時も目と手と意識を離さずに万全の体制で乗るようお願いします。万が一事故を起こしてしまえば「輪行禁止!輪行危険!」という世論が巻き起こることは避けられません。全国の輪行ユーザーに迷惑をかけないためにも是非注意を。

6.Suicaで改札を通るときは長めにタッチ

Suicaなどの非接触ICカードを使って自動改札を通過する際には、「タッチ&ゴー」じゃなくて「タッチ&前に進みながらしばらくタッチをキープ&ゴー」という、ちょっとしつこい人になった感覚で行こう。そうすることで、自動改札が自転車と自分の体を「2人の人間」という風に誤認しないようになるので安心だ。

余談1:一般的な駐輪場が使えないこともあるぞ

タイヤを把持する方式の駐輪場では、その手の『タイヤ把持機構』とTransit Compactのタイヤサイズが合わないことが多い。そのため使用できないケースがかなりあることを覚えておこう。

余談2:でっかいコインロッカーになら収まるぞ

実験したことはないのだけど、駅にあるでっかい(細長いタイプの)コインロッカーになら、折りたたんだTransit Compactはスッポリ収まると思われる。使える駐輪場が無く、かつ駅前に自転車を停めておきたいような場合は、最悪コインロッカーを使用することも視野に入れてみよう。

またその収納の際にペダルが邪魔になることが考えられるので、もし金銭的に余裕があれば、ペダルは折りたたみ可能なタイプに変更しておくことをお勧めする。

余談3:本体が軽すぎるので簡単に盗まれるぞ

Transit Compactは鍵をかけておいても、いかんせん本体が軽すぎるので簡単に持って移動できてしまう。なので街中の駐輪場に停めておく場合、可能であれば鉄柵や電柱などの動かせないものにくくりつける形にしておく方が望ましい。そのために、チェーンロックは「少し長過ぎるかな〜?」と思うくらいに長めのものを選択しよう。

余談4:Transit Compactにはギアもつけられるぞ

トラコンに変速機をつける費用は

和田サイクルさんではトラコンに変速機をつけてくれる。外装の変速機をつける場合は+6万円ぐらい。内装3段の変速機なら+2万円ぐらいで換装してくれるとか。

Transit Compactにギアをつけるなら、東京杉並の和田サイクルさん(2008年12月現在、上井草の仮店舗で営業中?仮店舗地図)へGO。輪行の邪魔になるのが嫌なら内装を、そんなことより走り重視に変えたいなら外装をチョイスだ。

余談5:タイヤの空気をきちんと入れよう

どんな自転車でもそうだが、タイヤの空気圧が低くなるとなっかなか前に進まなくなるので疲れてしまう。

Transit Compactでは(サドルの上限が低いので)身長が170cmより大きいくらいだと、自転車を漕ぐときに膝を伸ばすことができない状態になる。そのため通常の自転車より余計にパワーをロスする…という事情もあるので、タイヤの空気圧には特に気を遣おう。夏より気温が下がる冬場は空気圧も下がりがちなので、小まめに空気入れをしよう。

以上、Transit Compactで楽しく安全な輪行ライフをお楽しみください。