サッカー観戦のポイント(素人視点)

皆さん、こんばんは。サッカーをまともに見始めて早くも6、7年ぐらいのAobaです。

いきなりですが、サッカーって何が勝負どころなのかよくわかんないですよね。

このエントリの対象読者は?

あいつドリブル超うめえ!とか、なんかすげえシュート決めた!とか、そういう個人技の凄さはわかるんですが、試合全体で勝負を決める差ってなんなの?と聞かれるとさっぱりわからない。
日本代表戦を見てても、サッカーに詳しい人は必ず「遠藤保仁はすごかった」って言うんですが、その凄さがイマイチわからない。
そういう、私と似たようなサッカーIQの低い方(失礼)が対象です。

ちょっとわかってきた経緯

Jリーグの観戦に行く度に、サッカーに詳しい友人から観戦ポイントを教えてもらっていたんですね。で、見始めて2年目の頃にようやくゲームの見所が整理できてきました。すると、今まで気づけなかったゲームの勝敗に繋がる要素が見えてくるようになりまして。それが面白くてねえ。
どんな分野でもそうですが、知識が増えると面白くなってきますよね。

というわけで、私が教えてもらった観戦ポイントを記録しておきます。

サッカード素人向けの3つの観戦ポイント

  1. 縦パスに注目しよう
  2. 攻撃を4段階「奪取→展開→勝負→フィニッシュ」に分けてみよう
  3. ボールを奪った直後の3秒間、奪われた直後の3秒間に注目しよう

ひとつずつ簡単に説明します。

1. 縦パスに注目しよう

大雑把な表現ですが、現代のサッカーでは縦パス、つまりゴールの方に向かって通されるパスが攻撃のスイッチON(のひとつ)になります。前線の選手に縦パスが通った瞬間に、守備も攻撃もぐぐっと動くのです。

スタジアムに足を運んで1試合見るとわかりますが、

  • 前線に縦パスを供給できる選手は1チームに1〜3人くらいしかいない

のです。そうなる理由は色々ですが、そのうちの一つは、

  • 相手のプレッシャーを受ける状況で、前を向いてプレーできる選手は限られる

という事実が挙げられます。

そう、基本的に「前を向いてないと縦パスは出せない(出しにくい)」という事実があります。そして、良い縦パスを出せる上手い選手には、相手も素早く身体を寄せて自由にプレーさせないよう圧力をかけてきます。そういう厳しい状況を打開できる技術や選択肢がないと、縦パスを出すどころか、前を向いてプレーすることすら難しくなります。

まとめますと、縦パスを出せる選手を見つけたら、その人の背番号を覚えておきましょう。そこが攻撃の起点、チャンスの始まりになることが多いので、ちょっと早めにドキドキできてお得です。

2. 攻撃を4段階「奪取→展開→勝負→フィニッシュ」に分けてみよう

サッカーに詳しい人は分けて考える必要なんて全然ありませんが、最初のうちは分けて考えると「どこが強い」「どこが足りない」というのが整理できるのでオススメです。

フェーズ 内容 視点
1.奪取 敵のボールを奪え どこでいつ奪うか、チーム全体が連動しているか
2.展開 攻撃を組み立てろ 速攻か遅攻か、中央かサイドか、ボールを散らせ
3.勝負 決定的なチャンスを作れ 1対1で勝て、動き出しで勝て、DFの視界から消えろ
4.フィニッシュ ゴールを決めろ 精度を高めろ!(超一流選手でもシュート成功率は25%前後)

例えば2016年の川崎フロンターレを上記のフェーズ分けで評価すると、

  1. 奪取力は△(組織的な守備は皆無だけど、個々が頑張ってるよ)
  2. 展開力は◎(大島僚太、ネット、中村憲剛などMF陣は最高だ!)
  3. 勝負は◯(小林悠車屋、三好、長谷川が良い。他の選手ももっと仕掛けて欲しい)
  4. フィニッシュは△(チャンスの質と量が高まれば、もっと多くゴールを取れるはず…)

そんな具合でした。

たとえば、展開力が弱いチームでは、前線のFWが孤立しがちになり→ボールを奪っても前線に送るアイディアや経路がないため、強引な展開や勝負が増え→チャンスの質が下がり→フィニッシュの精度も悪化してゴール数が減る、という負の連鎖が起こります。
また、川崎で言えば、実はセンターバックがとても重要なポジションで、奪取と展開を担う存在が誰になるか、どの高さに陣取れるかによって、最前線の攻撃が機能するかどうかに大きく影響します。奈良がいれば最高なんですが、彼は同じ足の骨を二度も折ってしまってな…。1日も早い復帰を願っております。

3. ボールを奪った直後の3秒、奪われた直後の3秒に注目しよう

現代のサッカーでは点がよく入るタイミングがあります。統計的に分かっているのは、ボールを奪ってから15秒以内で大半のゴールが記録されているということ。この数値は年やリーグによって異なります。ちょっと古いデータですが、2012年のドイツのブンデスリーガでは「ボールを奪ってから6秒以内」で多くのゴール数が記録されているようです。6秒って、かなり早いですよね。

なので、ボールを奪った瞬間に何人の選手が前に向けて走り出すか、逆にボールを失った瞬間にさっと動いて守備を開始できる選手は誰か。その辺りに注目すると、ボールをもってない時に役に立つ選手、活躍している選手を発見できると思います。

ちなみに、ボールを失った瞬間の攻守の切り替えのことを「ネガティブ・トランジション」と呼ぶのですが、これが早い選手はJリーグ全体を見渡してみても結構稀で貴重です。ボールを奪われてから15秒以内に失点する件数が多いなら、敵の攻撃の最初の数秒を遅らせたり後ろを向かせたりする守備には、ものすごく高い価値があるってことですね。J1柏の大谷とか、J2セレッソ大阪の山口蛍などは、ネガティブ・トランジションが早い選手と言えるかも。

まとめ

こんな難しいことは記憶の片隅に置いとくだけで大丈夫!サッカー観戦を気軽に、おおいに楽しみましょう。「今の一点は大きいですねー」でいいんですよ!