何故あの人は問題解決能力が高いのか?脳科学的な話
時々、ものすごい想像力や発想力で問題を解決する人がいる。そういう人は、凡人と一体どこが違うのだろうか?
答えは脳にあるのではないか?それもミラーニューロンに。
ミラーニューロンとは
ミラーニューロンとは、たとえば自分が腹筋運動をしているときと、誰かが腹筋運動をしているのを見たときの両方で同じように活動するという妙な神経細胞である。同様の機能を持つ一連の神経細胞群(下前頭回と上頭頂葉の辺りにある)をミラーニューロンシステムと呼称する。
ミラーニューロンシステムの用途は?
盆踊りとかラジオ体操とかエアロビとか、なんとかブートキャンプのように、他人の動きを真似するときに働いている。
がっ!注目すべきは情動に対するミラーニューロンシステムの活動である。
ミラーニューロンは共感とも関連付けられている。何故なら、特定の脳領域 (特に島皮質前部と下前頭皮質) は自身の情動(快、不快、痛みなど)に反応し、かつ他者の情動を観察する際にも活動するからである
具体例を出すと、自分の目の前で足の小指をタンスの角に強打して悶絶している人を見ると、あたかも自分もタンスの角に足の小指をぶつけた時と同じようにミラーニューロンが活発になるのだ*1。もう想像するだけで、あのどうしようもなく切な痛い(せつないたい)感じがよみがえって来る…うぅ。
とにかく共感とミラーニューロンには関係がありそうである。
想像力・共感力と問題解決能力は比例する
とある子育て日記で。
先日、2歳の娘の心エコー(心臓のエコー)検査がありました。
前回までは、眠り薬で眠っている状態で検査を行っていたのですが、今回は、起きた状態で検査するとのことだったので、怖がって泣いたりしないように、前日に「心エコーごっこ」をやりました。
子供と親とで交互に心電図(洗濯ばさみとシールを使いました)と心エコー(テレビのリモコンをプローブ代わりにしました)をやり合いました。
(中略)
検査は「心エコーごっこ」の成果か、まったく泣かずにいい子だった、とのことでした。
こういう問題解決の方法は、子供の視点に立った想像力、および子供の感情に対する共感力が高くないとできない。おそらく自分が親の立場だったら「その場で子供をなだめればいいだろ」ぐらいに軽く考えて、「心エコーごっこ」なんて思いつきさえしないだろう。
いやぁ共感力を鍛えないと、もっと具体的に言えばミラーニューロンシステムを鍛えないとマズイぜ!引きこもってる場合じゃないぜ!歳取ってからも鍛えられるのかどうかは知らないぜ!
まとめ
人間に関わる問題解決には、ミラーニューロンシステムが役に立つ。
自分で考えて動ける社員が欲しい企業は、採用試験で応募者全員のミラーニューロンの活動を調べるのは極めて有効だろうと思う。(そんなこと実際やったら人権問題に発展しそうで怖くてできないけど、自己評価質問表で共感の値をチェックするぐらいなら問題なさそうだ。頑張れ、人事部採用担当!)
*1:たぶんな。タンスの角に足の小指をぶつけたことがある人限定かもしれないが気にしない