ニコ割OFFのうまさと広告の新ジャンルについて
「時報」や「ニコ割ゲーム」など、ニコ割による動画の一時停止をOFFにする、プレミアム会員向け新機能『ニコ割OFF』が登場しました。
これは時報が登場する前から計画されていたことだろうけど、うますぎると思った。以下、ニコ割OFFって、なんとなく北朝鮮の外交手法に似てるよねのうまさについて考えてみる。
うまい1:有料会員になろっかな?の検討機会が毎日数回やってくる
時報やニコ割に遭遇する度に「ああもう有料会員になってニコ割OFFにしよっかな」と考える機会がやってくる。それもすべての無料会員に対しては強制的にそのウザい機会が繰り返し訪れるのだ。これはもう毎回なまはげがやってきて「悪い子はいねが〜無料会員はいねが〜有料会員にならねが〜」と怖い顔で営業(無料会員狩り)をかけられているようなものである。
うまい2:広告収益の比率が下がり、有料会員収益の比率が高まる
ニコ割OFFによって、時報やニコ割の広告価値は下がる。なぜなら有料会員に対する露出が減るからだ。
有料会員というのは、本来であれば最も広告を見せたい層である。そこに対して広告を見せられないとなれば、広告の価値も減少する(ただしこの「広告価値が下がる」という説は、時報やニコ割という『ネタ広告』に限って否定されるのだが…後述)。
広告収益は景気に左右される。一方、有料会員収益は比較的安定している。2008年10月現在、世界経済の先行きが不透明な今だからこそ、広告収益の比率を下げ、有料会員収益の比率を上げておくのは良い手だと思う。
うまい3:強制広告を嫌がる人には見せない
強制的に割り込みを行う時報やニコ割は正直鬱陶しい。時報やニコ割に広告出稿を考えてる企業や団体は冷静に判断して欲しいのだが、「あーもーうぜー!!」という状態で強制的に見せられた宣伝に好感を持つ人はどれくらいいるだろうか?おそらく少ないだろう。
だったら嫌がる人には見せない方がいい。無駄というか逆効果な広告露出を減らすことで、クリックレートやコンバージョンレートは飛躍的に高まる結果になる…かもしれない(無料ユーザーの動向が絡むので、なんともいえない面がある)。
うまい4:強制でもネタ広告なら見たがる人もいる
時報やニコ割についてはネタ的側面が濃い。そのため、それらを楽しんでいるユーザーもかなりの数存在するようだ。そこが世間一般の強制広告と決定的に異なる点である。(時報のネタを見逃したくない!と考える人さえいる by ブコメ)よって、有料会員に対して広告が露出する可能性もかなりあるということになる。
で、これはもしかしたら結構大事件で、私たちは広告の新ジャンル『非同期マルチユーザー・インタラクティブ・ネタ広告』の黎明期に立ち会っているのかもしれない。インターネットの双方向性・馬鹿ばかしさ・遊び・共有・共感といった要素を最大限に活かした広告媒体は、今のところニコニコ動画をおいて他にないだろう。