わかんないからって全部禁止する親にはなりたくない
最近、ネット規制の話題が熱い。
ダウンロード違法化*1に始まり、携帯キャリアによるWebサイトフィルタリングの開始、そして「青少年を有害情報から守ろう法案*2」などなど。
自分は未成年じゃないので「ふーん」ぐらいで通しても良さそうなのだけど、もし自分が子供を持ってたらどうか?と考えてみると、うーん…良い面もあるけど、悪い面も多いんじゃないかなぁと思う。
で、そんな言葉にならない自分のモヤモヤした想いを、きっちりと文章で書いてあるサイトを見つけたので引用する。
悪書を禁止するだけで、しつけが出来ると思うのは親の怠慢だ。
子供は、隠れて楽しむだけである。
それよりも、悪書の代わりに、面白くてためになる広いジャンルの良書を
山ほど与えてやれば、悪書にハマらない。
媒体を超えて、子供に良作を教えてあげるのが親の役目なのだ。
おお、その通りだ!自分は人の親ではないが同意。
余談だが「隠されれば隠されるほど見たくなるのが人間」でもある。
さらに、
あなたは、子供に見せてもいい健全な携帯サイトをいくつ知っていますか?
モバゲーの代わりになる、子供たちの居場所を教えてあげられますか?
そんなことも知らないで、政府と携帯キャリアにまかせっきりにしていいんですか?
綺麗なものだけしか見せないように、温室の中で育てた子供が、
成年になった途端に親元を離れ、猛獣のいる野に放たれる。
何の情報も無く、予備知識もなく。こっちの方がよっぽど怖い。
この部分にも同意。
同意なんだけどーあのーこれってつまり、親は子供が生きる世界を理解する必要があるということだよね。
んで、もしそれが理解できない(または理解したくない)場合には、やっぱり全部封殺という手段しか残ってないってことなのでは?
と、そこまで考えると、どうもこの「青少年を有害情報から守ろう法案」というのは、実は青少年を守るというのは方便で、
- 今の子供達の世界を理解できない親を守るためのものなのでは?
と思えてくるから不思議である。
その他の邪推
この法案で誰が得するのかって考えてみると、それはやっぱり青少年がメインではないわなーと思えてくる*3。じゃ誰が得するのかってーと、それはもちろん、
- ネットを封殺したい多くの既得権益者
だよね。
なんか嫌だなー。国内の巨大企業とか、コンテンツフィルタリング関連会社とか、政治家とか、マスコミの上の方に居る頭バーコードのオッサン達が、裏でがっちり握手してる脂っこい絵が浮かんで。
もっと原始的な考えをすると、
- ネット時代の公共投資
みたいに考えてるのかも?とも思う。だとしたら笑える。
将来の自分へ
デジタルディバイドが心底怖くなってきた。
今の自分はネットも少し使えるので、デジタルディバイドで言うと『知っている側』に属すると思うのだけど、10年後や20年後の自分はどうだろう?その時に、子供の生きる世界を理解できるだろうか?理解するだけの体力と、頭の柔軟さを持ち得ているだろうか?…判らない。できそうな気もするが、年老いた頭では難しそうな気もする。
(既にモバゲーとかTwitterにはついていけてない。)
いずれにせよ、この法案が通ってしまえば、親が子供の超巨大な可能性空間*4を『国や法律のせいにして』いとも簡単に奪える時代になるのだ。
だから気をつける必要がある。私は「わかんないから全部禁止する」そういう親にだけはなりたくない。なりたくないのだが…実際どうだか…。