オタク同士が分かり合えるのは、同じ土俵に立っているからなんだ

またタイトルと関係のない話から入りますが。

あのー時々いますよね、下記のような3つの病気に罹ってる人。

ま、自分のことなんですけどね。

1:わからない人の気持ちがわからない

自分が労せず理解できたから、他人も労せず理解できるはず、という病気。

労せず、というのが重要なポイント。これは天才肌の人がかかる病気だから自分には関係ねえ…と思いきや、とても大きな盲点がある。

  • 自分を過小評価しすぎる人もこの病にかかる可能性がある

「馬鹿な自分でさえ簡単に判ったことなんだから、誰にでもすぐ判るはず」という思考の流れで。日本は自分を過小評価する文化だから、後者の理由で『わからない人の気持ちがわからない病』が大流行してもおかしくないと思う。(実際そうならないのは、察しと思いやりの精神がそこに歯止めをかけているから?日本文化ヨクデキテル!)

2:話が通じないのは相手が馬鹿だからだ

話が通じないのは自分の能力不足である、という可能性から目を背ける病気。

主に、自分は頭がいいと思い込んでるけど実はたいしたことの無い人か、または周囲の人を見下すことによってしか自分を保てない似非秀才がかかる病気である。

無論、相手が真の馬鹿という可能性もある。自分がこの病気かどうかの判定は、自分と接する人の過半数が「馬鹿」に思えたらイエローカード。9割以上が馬鹿に思えたらレッドカード、すぐに最寄の病院に…行っても薬はありませんよ。ほら、馬鹿につける薬はないっていうじゃないですか。ウフフフフ(うざい)

3:論理的に正しければ人は説得されるはずだ

人は論理で動いている、論理で動くはず、という幻想を抱く病気。

この病気には、感情を理解できないロボット風味の人や、潔癖症気味な人が罹りがち。その他にも「こっちの方が絶対に正しい」という類の意見を口にすることが多い人も、この病気に罹っている可能性がある。

この病気、症状としては笑えるものが多くて、

  • 説得力が極めて低い
  • 白黒付かない論争は嫌い
  • 「喜び」の表現が下手*1

などがある。しかし、この手の人をいじって楽しむのはあまりお勧めしません。冗談が通じなくてブチギレられたりするケースがあるから。湿気った花火みたいな感じ。火をつけてから覗きこむのは危ないよ。

これらの病気を「自分で」治す方法

結論からいうと、

  • 相手の土俵で話をしよう

ということに尽きると思う。

相手の土俵というのは、相手が理解している概念の集合のこと。

人と対話をするとき、相手の土俵の上にはどんな言葉が乗っているのか?をいち早く察知する。そして、そこにある言葉や概念や価値観を、できる限り利用して伝えたいメッセージを組み立てる。すると相手の脳まできちんと届くようになる。

オタク同士が分かり合えるのは、同じ土俵に立っているからなんだ。

また『相手の土俵に乗る』というのは、他人を馬鹿にできる(ぐらい自分のことを優秀だと思ってる)人なら簡単にできることだ。というか、相手のことを馬鹿だと思うなら尚更、あなたが先に相手の土俵に上らないと、いつまで会話しても話しが通じない→(お互いに)馬鹿だなこいつ、で物別れに終わってしまう。これはたぶんもったいない話だ。

相手にしか見えていない情報を理解できたとき、相手の体験や判断を肯定できたときに、あなたはもう他人を馬鹿だとは思わなくなっていることでしょう。

昨日から続くまとめ

相手の土俵で対話する力。それを人は教養と呼ぶ…のかもしれない。

*1:すごく嬉しくても嘘っぽい微妙な笑顔になっちゃったりする