リアル「メガバァ」誕生前夜

2007年。メガバァはいない。

パソコンを使いこなし、ネットの海を自在に泳ぎ、プログラムを書き、脆弱なサーバに侵入して自分の目的のために利用してしまう…そんなスーパーハッカーなお爺さんお婆さんはたぶんいない。

だが2025年。メガバァが誕生する。

Windowsを開発したビル・ゲイツその人も70歳になる。コンピュータを自在に操るシルバー世代が、リアル「メガバァ」になるのだ*1

老人ホームには極太のネットワーク回線がひかれることが常識になり、スゴ腕のハッカー老人集団ができあがる。お年寄りたちのホーム選びにも、IT設備の充実度合いが重視されるようになっている。大抵のホームの地下はラックが整然と並んだデータセンターになっていて、老人達は無線で繋がったモニタとキーボードを操り、時々政府や企業からの要請を請けて情報収集や操作・改ざんのために動く。ホーム同士の情報抗争が、お年寄りたちのゲートボールに代わる趣味になり、ハッキングの技を競い合う「シルバーハット・ブリーフィング」も毎年開催されている。

リアル「メガバァ」の集団は、若者をしのぐ知恵と技*2と年数分蓄積された人的な繋がりによって、2025年以降の情報ネットワーク社会に鮮やかな影響を残し続けるだろう。

# で、2040年頃には「メガシ屋」の看板が通販で馬鹿売れする見通し

*1:未来の情報技術がビル・ゲイツにも理解できないくらい劇的に進化しない限りそうなる。

*2:2025年には“古流”と呼ばれたりするプログラム手法